基本情報 2024.12.27

JIS規格で安心!自動ドアの安全性を高める

自動ドア事故の傾向と安全性

自動ドアは現代社会において不可欠な設備ですが、その安全性に対する適切な管理と配慮が求められます。安全な利用のためには、自動ドアに関連するリスクとその予防策を正しく理解することが重要です。事故の傾向と効果的な対策について見ていきましょう。

事故の傾向

自動ドアの事故の約半数は、立ち止まりや駆け込みによって発生しています。特に、小さな子供や高齢者の事故が多く見られます。これは、子供や高齢者が自動ドア付近で予期せぬ動きをしたり、突然立ち止まったりすることが原因です。病院やショッピングモールなど、多くの人が利用する場所では、特にこれらの事故リスクが高まります。

主な事故パターンとしては、「駆け込みによる衝突」「立ち止まりによる挟まれ」「斜め進入による衝突」「引き込まれ」「指挟み」などが挙げられ、これらの行動が事故全体の半数以上を占めています。例えば、ドアが閉まりかけた際に急いで駆け込むと、反転が遅れて、ドアとの衝突につながることがあります。また、斜めからの進入も、センサーが十分に反応せず、ドアの開くタイミングが遅れて衝突事故を引き起こす可能性があります。

さらに、「引き込まれ」や「指挟み」は特に子供に多い事故です。自動ドア付近で遊んでいる最中にドアが作動すると、体や手がドアの間に挟まれる危険性があります。

安全性を高めるポイント

自動ドアの安全性を向上させるためには、重要なポイントがあります。

自動ドアが「JIS A 4722」という日本産業規格に適合しているかを確認することが推奨されます。この規格は、自動ドアの構造と機能に関する安全基準を定めています。JIS A 4722に準拠した自動ドアは、センサーの精度、開閉速度、制御機能などが厳密に規定されており、より高い安全性が確保されます。

自動ドアの事故リスクは、適切な安全対策と利用者への注意喚起によって低減可能です。特に、JIS A 4722の安全規格に基づく対策は、事故予防の重要な柱となります。以下では、この安全規格の具体的な内容について詳細に解説します。

自動ドアの安全規格JIS A 4722とは

JIS A 4722は、すべての人々が自動ドアを安全かつ安心して利用できるように、2017年3月に制定された安全規格です。

国の安全規格であること

JIS A 4722の制定により、自動ドアの安全基準が「国の安全規格」として明確化されました。メーカー、設計者、施工業者、さらには建物所有者まで各関係者が果たすべき役割が明確になり、歩行者用自動ドアに求められる安全対策が共通認識として広がりました。

自動ドアJISの適用範囲

JIS A 4722の安全規格の適用範囲は、電力で駆動する建具を含む自動ドアセット全体に及びます。自動ドアの安全性を確保するため、製品の設計・技術仕様から、建築設計、施工、竣工後の検査、そして使用開始後の保全点検まで、全工程にわたって適用されます。

製品設計段階では、ドアの構造や動作の安全性が求められます。自動ドアの竣工検査では、供給者がJIS A 4722の要求事項に基づいて検査を実施し、発注者・建物管理者に結果を共有することが定められています。また、使用開始後も、建物管理者による定期的な保全点検が求められており、これらの措置により長期的な安全性を確保する仕組みとなっています。

自動ドアJISで求められる安全対策

自動ドアは日常的に多くの人が使用する設備であり、その安全性は建物の利用者にとって極めて重要です。JIS A 4722は自動ドアの安全を確保するため、多岐にわたる対策を要求しています。以下では、この規格に基づく具体的な安全対策について詳しく解説します。

引き込まれ防止対策

自動ドアのドア走行部に指や手が引き込まれる事故を防ぐため、JISでは引き込まれ防止対策が求められています。例えば、ドア面は格子などの凹凸がない滑らかな形状とすることで、引き込まれるリスクを減らす対策や、ドア面と固定枠部分との間に適切な隙間を設けることが挙げられます。

指挟み防止対策

指挟み事故は、特に小さな子供が巻き込まれやすい事故の一つです。JIS A 4722では、ドアの縁に適切な隙間を設けることや、ドアの開閉部分に安全クッションを設置することが推奨されています。例えば、ドアの縁部分にクッション材を使用することで、万が一、指が挟まれた場合でも衝撃が緩和され、重大な怪我につながりにくくなります。また、一部の自動ドアには、指がドアの隙間に挟まれないよう、特殊な設計やガードが施されています。

開作動時の挟まれ及び衝突防止対策

自動ドアの開閉時に人が挟まれたり、ドアに衝突したりする事故もあります。ドアの開閉範囲にいる人や物を確実に検出し、必要に応じてドアの動作を一時停止または停止する仕組みが求められます。

案内表示及び警告表示の設置

JISでは利用者に対して、自動ドアの注意点や安全に関する案内表示や警告表示を設置することを要求しています。特に、高齢者や視覚障害者にも配慮し、見やすい場所に適切なサイズで表示することが求められます。例えば、ドアの動作範囲や注意点についての警告文を表示し、利用者が自動ドアの動きに注意を払うよう促すことで、事故防止に貢献しています。

全国自動ドア協会からの推奨事項

更なる安全性の向上を目的として全国自動ドア協会では、JIS A 4722では求められていない次の対策を推奨しています。

補助光電センサーの設置

補助光電センサーは、自動ドアの安全性を強化するための重要な設備の一つです。このセンサーは、開口部での立ち止まりを検出し、検出中はドアを開放位置で停止させ、ドアとの衝突を防ぎます。

保全点検の契約

自動ドアの安全を長期にわたり維持するため、定期的な保守・メンテナンスの実施が推奨されています。保守・メンテナンスは、ドアの動作状況を確認し、必要に応じて部品交換や修理を行うことで、事故のリスクを未然に防ぐ重要なプロセスです。定期点検を実施することで、自動ドアの機能が常に良好な状態で維持され、急な故障や事故を防ぐことができます。また、保守・メンテナンス契約を結ぶことで、専門の技術者が定期的に設備を確認し、必要な保守・メンテナンスを実施するため、安心して利用できます。

このように、JIS A 4722に基づいた安全対策は、自動ドアの利用者が安心して施設を利用できるよう、あらゆるリスクに対応するための重要な指針となっています。

自動ドアの保守・メンテナンス、リニューアルは信頼できる事業者に依頼しよう

自動ドアの安全性を維持するためには、定期的な保守・メンテナンスや適切なタイミングでのリニューアルが効果的です。また、JIS A 4722に準拠した安全基準を満たすことは、通行時の安全確保において重要です。

フルテックでは、JIS A 4722に準拠した高品質な製品を提供するとともに、専門のエンジニアによる提案から施工、保守・メンテナンスまで一貫したサービスを提供しています。